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企画展「彦根製糸場 ―近代化の先駆け―」

開催期間:平成30年/2018年9月21日(金)~10月23日(火)

明治11年(1878年)6月16日、現在の彦根市平田町の地に、滋賀県下初の近代的な器械製糸工場である彦根製糸場(ひこねせいしば)が開場しました。明治初期、衰退していた彦根地域を立て直すため、殖産興業(しょくさんこうぎょう)と士族授産(しぞくじゅさん)を図る必要がありました。当時彦根に、明治5年設立の官営模範工場である群馬県の富岡製糸場(とみおかせいしじょう)で技術を習得した旧彦根藩士の子女が数多くおり、その状況を活かして旧彦根藩士が中心となって計画したのが彦根製糸場でした。彦根製糸場は、滋賀県の県営として始まり、明治19年に旧彦根藩主家の井伊家に払い下げられ、明治35年に閉場するまで、井伊家がその経営を担うことになりました。
彦根製糸場の設立後、近隣に器械製糸工場が続々と設立されていきました。その中でも、彦根製糸場は、滋賀県下で有数の規模を維持し、また、近隣の製糸場から職員の見学を数多く受け入れており、工場職員の養成の面でも中心的な役割を担っていたことが窺われます。彦根製糸場は、近代的な工場の先駆者として後進に刺激を与えただけではなく、製糸業界で果たした役割などの面でも、地域の近代化を牽引した重要な存在だったと言えます。
本展では、井伊家伝来近代文書の中に大量に含まれている、彦根製糸場で実際に使われていた帳簿や、やりとりされた書簡などを、数多く取り上げます。具体的には、他地域への繭の買い付けに行った者への手紙、繭を煮る鍋の売り込み状、製造した生糸に付けられた商標、横浜の商人からの生糸の荷受けの通知や海外の生糸市場の状況報告、100名程度いたとみられる工女の毎日の出勤の記録や、月給の支払いの記録、給与袋などです。このほか、他機関所蔵の彦根製糸場関係の史料や、製糸工場で使われていた道具などをあわせて展示し、彦根製糸場の全体像を紹介します。
井伊家伝来近代文書は、約21,000点に及ぶ史料群で、当館では、平成28年度から4年計画で調査を進めてきています。今回、この調査の中間報告の意味合いも含めて、その一部を初公開します。本展によって、彦根製糸場について多くの人に理解を深めていただければ幸いです。

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【主な展示資料

▼ 製糸器械所設立嘆願書(作品リストNo.2)

1製糸器械所設立嘆願書(1)

▼ 彦根製糸場古写真(表門)(作品リストNo.7)

2彦根製糸場古写真(表門)再切り取り

▼ 奥田要助書簡 彦根製糸場宛(作品リストNo.15)

3奥田要助書簡 彦根製糸場宛

▼彦根製糸場商標(作品リストNo.23)

4彦根製糸場商標(作品リストNo.23)

▼ 彦根製糸場々員及工女人名書(作品リストNo.30)

5彦根製糸場々員及び工女人名書(1)

名称
企画展「彦根製糸場 ―近代化の先駆け―」
会期
平成30年/2018年9月21日(金)~10月23日(火)
休館日
会期中無休
開館時間
午前8時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入場料
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展示作品リスト


主な展示作品

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