展覧会

「麗しの雅楽器」

開催期間:平成29年12月8日(金)~平成30年1月8日(月・祝)

 

展示室前タペストリー 雅楽(ががく)は、奈良時代に中国や朝鮮半島からもたらされた大陸の音楽と、日本古来の音楽とを総合した、日本を代表する伝統音楽です。宮廷や寺院、神社の行事、貴族らによる遊興の場で盛んに行われ、最盛期の平安時代には宮廷文化を華やかに彩りました。その後、時代によって衰退した時期もありましたが、そのたびに復興し、今に受け継がれています。

 使用される楽器も、外国に起源を持つものと日本古来のものとがあり、外来の楽器は日本人の好みに合うように取捨選択、改変され、現在見る形になりました。その種類は、管楽器(吹きもの)、絃楽器(弾きもの)、打楽器(打ちもの)に分けられます。

 楽器は音楽を奏(かな)でるための実用的な道具ですが、人々にとって楽器は、単なる道具に留まる存在ではありませんでした。「枕草子」に「無名(むみょう)」「玄象(げんじょう)」という名前の琵琶などについて記されるように、自らの所蔵する古く由緒ある作品や、楽器として優れた作品に、「銘(めい)」と呼ばれる愛称を付け、大切にしたのです。楽器に銘を付ける習慣は、古く平安時代にまで遡(さかのぼ)り、以後、連綿と受け継がれていきました。

 こうした名器は、特に珍重され、色鮮やかな錦(にしき)の袋や精緻な蒔絵(まきえ)の筒、箱によって、華やかに彩られました。そしてこれらの収納具には、所蔵者の愛情を表すかのように、さまざまな趣向を凝らした装飾が施されています。

 もっとも多いのは、「鈴虫」の銘を持つ竜笛(りゅうてき)の筒に、鈴虫を詠み込んだ和歌、薄(すすき)と鈴虫を蒔絵で表わすというような、愛称である銘に関連した装飾です。銘は、和歌や漢詩が典拠であることも多く、そこに詠み込まれた素材が頻繁に装飾に取り入れられました。また、「源氏物語」や「伊勢物語」に取材したデザインもしばしば見られます。楽器は、文学の世界と密接な関わりを持つものでもありました。あるいは、由緒ある古材や更紗(さらさ)のような外国産の貴重な染織品を用い、特別な箱や袋を仕立てたり、あえて華美な装飾を省き、洗練された意匠を施す場合もあり、これらからは、付属品の細部にまでわたる所有者の心配りが感じられます。

 このように、納める袋や箱にも細やかに心を砕いて、楽器は慈(いつく)しまれてきました。そして、所有者を替えながら、作品によっては数百年を超える長い間、守り伝えられてきたのです。当館にも、井伊家12代当主直亮(なおあき)(1794~1850)が収集し、愛蔵した数多くの楽器が保管されています。

 本展では、さまざまな意匠で飾られた、工芸美の粋(すい)を凝らした楽器の数々を展示します。楽器をめぐる人々の営みを今に伝える、華やかな雅楽器の世界をご堪能下さい。

ギャラリートークの開催

 

【主な展示作品】

▼篳篥(ひちりき) 銘玉笹(めいたまざさ)  当館蔵

▼竜笛(りゅうてき) 銘鈴虫(めいすずむし)  個人蔵

▼箏(そう) 当館蔵

▼篳篥(ひちりき) 当館蔵

 

名称
「麗しの雅楽器」
会期
平成29年12月8日(金)~平成30年1月8日(月・祝)
休館日
12月25日~31日
開館時間
午前8時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入場料
一般/500円
小・中学生/250円
※団体30名様以上は割引金額となります。
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展示作品リスト


主な展示作品

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