展覧会

拵-井伊家伝来刀装選-

開催期間:令和2年/2020年7月17日(金)~8月18日(火)

 刀剣を収める鞘(さや)や柄(つか)、鐔(つば)などの外装を拵(こしらえ)または刀装と呼びます。本来は、刀剣を携行するための実用的な道具ですが、古来さまざまな装飾が施されてきました。武器を金や銀、玉などで煌びやかに飾り付けることは、所有者の権威を示す行為の1つでもあります。あるいは、神仏に捧げる品としてふさわしい荘厳を施す意味も持っていました。刀装の装飾は、時代が下るにつれてその種類と技が豊かになっていきます。江戸時代の大名家では、登城用の正式拵(しょうしきごしらえ)や儀仗用の太刀拵(たちごしらえ)など、規定に則して装飾されたもののほか、漆芸や彫金(ちょうきん)などの技術の粋を集めた拵が制作されました。彦根藩井伊家伝来の拵にも技巧を凝らした数々の作品が見られ、その数は120件にのぼり、特にこの一群で注目される特徴は豊富な種類の鞘塗です。

 漆を使って鞘を装飾する歴史は古く、その始まりは奈良時代にまで遡ります。初めは黒漆塗や金銀粉を使った蒔絵による装飾が主流でしたが、南北朝時代には鮫皮を巻いて研ぎ出した鞘が作られ、桃山時代には色漆や漆塗と金属板を合わせた加飾などが行われるようになりました。そして江戸時代を迎えると、表面を滑らかに仕上げずに敢えて凹凸をつけて文様としたり、植物の樹皮や実、動物の角、裂など多様な素材を組み合わせた漆塗が盛んになりました。こうした漆塗の技法を変わり塗といい、井伊家の拵は、そのバリエーションに富み、高度な制作技術がうかがえる全国的にも希少な存在として知られています。

 江戸時代は鞘の装飾のみならず、柄や鞘にあしらう金具類の表現にも大きな展開が見られます。特に注目されるのが、京や江戸を中心に活動した刀装具の専門工です。彼らは、高彫(たかぼり)や鋤彫(すきぼり)などの彫金技法や地金と異なる金属を接着するなどによって、限られた画面の中に繊細な文様を、時には大胆な構図を表した多彩な作品を次々に生みだしました。井伊家伝来の拵の中にも、当時活躍した金工師の面々の作品を目にすることができます。

 本展では、当館が所蔵する井伊家伝来の拵の中から厳選した名品を公開するとともに、所有者や拵が調えられた時期、制作に携わった金工師などを載せた古文書を併せて紹介します。卓越した漆塗と彫金の表現はもちろん、その制作背景や拵を巡るさまざまな人物にもご注目ください。

【主な展示資料

▼金梨子地菊紋蒔絵鞘糸巻太刀拵(きんなしじきくもんまきえさやいとまきだちごしらえ)

 

 

 

 

▼磯草白檀塗鞘大小拵(いそくさびゃくだんぬりさやだいしょうごしらえ)

 

 

 

 

▼鶴足皮巻鞘大小拵(つるあしかわまきさやだいしょうごしらえ)
黒蝋色雲形塗松葉文大小鞘(くろろいろくもがたぬりまつばもんだいしょうさや)

 

 

 

 

 

 

 

 

◆展示解説◆
と き:8月1日(土) 午後2時~(受付は午後1時30分~) *40分程度
ところ:彦根城博物館 講堂
定 員:25名(当日先着順)
費 用:無料 *展示室の入室には観覧料が必要です。
担 当:古幡 昇子(当館学芸員)

名称
拵-井伊家伝来刀装選-
会期
令和2年/2020年7月17日(金)~8月18日(火)
休館日
会期中無休
開館時間
午前8時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入場料
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展示作品リスト


主な展示作品

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