日本の美術工芸品や古文書などの文化財は、木や紙、布などの劣化しやすく脆弱な素材で作られています。その劣化を可能な限り食い止め、適切な修理を施して後世に伝えていくことは、現代に生きる私たちの責務です。
当館ではこれまで、井伊家に伝来したさまざまな文化財の修理を行ってきました。中でも平成6年(1994年)以来、長年にわたって修理を実施してきたのが楽器です。
井伊家伝来楽器のほとんどは井伊家12代直亮(なおあき、1794~1850)が収集したもので、日本を代表する楽器コレクションのひとつです。しかし、その多くは経年により損傷し、特に絃楽器は部材がばらばらになるなど、展示不可能なものが大部分を占める状態でした。これを受けて、平成6年度より修理を開始し、令和7年(2025年)度までに計110件の修理を完了しました。楽器は主に木を素材とする文化財であることから、木材の修理に精通し専門的な技術を有する公益財団法人美術院に、開始以来、修理を委託してきました。
本講演会では、長年この修理に携わった担当者を招いて、修理の内容や方法などについて具体的にお話いただきます。本講演会を通して、文化財修理とはどのようなものなのか、またその難しさや課題、そして意義について、一層理解を深めていただこうとするものです。

筝の装飾の接合作業(片山毅氏)

修理前(解体した状態)の筝

修理完了後の筝
日 時
令和8年(2026年)7月4日(土) 午後2時~午後3時40分
講 師
片山 毅 氏(公益財団法人美術院 京都国立博物館工房長)
茨木 恵美(当館学芸員)
会 場
彦根城博物館 講堂
定 員
50名(当日受付・先着順、受付は午後1時30分~)
資料代
100円
※展示室の入室には別途観覧料が必要です。
その他
講演会の開催に併せ、楽器の修理成果を紹介する特集展示を当館展示室にて展示します。






