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龍―天翔る霊獣―

開催期間:令和5年/2023年12月14日(木)~令和6年/2024年1月15日(月)

 龍は古代中国に起源を持つ、想像上の霊獣です。台風、竜巻、雷、洪水などの恐ろしい自然の力の象徴として生まれたと考えられ、天地を行き来し、雨を降らせる霊力を持つと信じられてきました。中国では、優れた王の治世には龍が出現して国が繁栄するとされたことから、瑞祥の兆しとして尊ばれ、さらに仏教に採り入れられて降雨を裁量する神・龍王としても広く信仰を集めました。その姿はすでに、中国最古の王朝である殷の時代(紀元前17~11世紀)の作例に確認されます。
 日本には、仏教をはじめとする文化とともに、飛鳥時代に朝鮮半島を経由して伝わりました。そして日本古来の信仰などと混じり合い、水を司る神である龍神として信仰され、また、神秘的な力を有するめでたい存在として広く親しまれてきました。説話や物語などに登場するだけでなく、美術作品や日常を彩るさまざまな生活用具の意匠に取り入れられており、現在でも身の回りの至る所にその姿を見ることができます。
 一般的によく知られる龍の姿は、龍が神格化するに伴い、複数の動物の優れた部位を取り込んで表されるようになったものです。角は鹿、頭は駱駝、胴は蛇、鱗は魚、掌は虎、爪は鷹にそれぞれ似るとされ、このイメージは中国・漢時代(紀元前202年~紀元後8年)に定まったとされます。逆巻く雲や激しい波とともに表されることが多く、これによって自在に空を翔け、雨をもたらす神秘的な力が表現されています。また、同じく瑞獣とされる鳳凰とともに表されるほか、互いに劣らぬ強者に喩えられる龍虎の組み合わせも好まれてきました。龍ほど広く浸透し、人々に愛好されてきた霊獣はほかにないといえるでしょう。
 本展は令和6年が辰年であることにちなみ、龍を表した作品を紹介するものです。絵画、陶磁器、染織品をはじめとするさまざまな素材や形の作品に表された、霊獣・龍の多彩な姿をご鑑賞ください。

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【主な展示資料】
▼雲龍図 狩野永章筆
縦 139.7㎝ 横 84.1㎝
江戸時代 文政11年(1828)
当館蔵(數野美春氏寄贈資料)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼能面 泥黒髭 甫閑満猶作
面長 20.2㎝ 面幅 14.7㎝ 面奥 8.7㎝
江戸時代 享保12年(1727)

 

 

 

 

 

 

 

▼能装束 紫地稲妻と雲応龍文様袷法被
裄 108.0㎝ 丈 110.3㎝
大正時代~昭和時代初期

 

 

 

 

 

 

 

名称
龍―天翔る霊獣―
会期
令和5年/2023年12月14日(木)~令和6年/2024年1月15日(月)
休館日

12月25日(月)~12月31日(日)

開館時間
午前8時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入場料
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