彦根城博物館の学芸員は、各自の研究テーマや担当する展示について、調査・研究を行っています。その成果や最新の知見を市民に直接伝える場として講座を開催します。これにより、当館の活動や所蔵資料、さらには日本の歴史や美術にも関心を持ってもらおうとするものです。
1 開催日・演題・講師・内容
①令和7年5月31日(土)
テーマ展「湖東焼賞玩-蒐集と研究の軌跡-」関連講座
「湖東焼 蒐集と研究の100年」(奥田晶子)

赤絵金彩芦雁図水指・翡翠図建水(当館蔵)
江戸時代に彦根で産声を上げ、彦根藩窯として隆盛した湖東焼は、明治時代に窯が廃止された後も、多くの人を魅了してきました。その蒐集 と研究の歴史を紹介します。
②令和7年8月2日(土)
テーマ展「伝統芸能入門 悠久の雅楽」関連講座
「見る 知る 雅楽器入門」(茨木恵美)

笙 銘海浦(当館蔵)
雅楽特有の雅な音色を生み出す、笙(しょう)や篳篥(しちりき)、琵琶、箏(そう) 、羯鼓(かっこ)などのさまざまな雅楽器。その構造や特徴を、普段見ることのできない内部の写真も交えながら丁寧に紹介します。
③令和7年8月31日(日)
シリーズ古文書から読み解く彦根の歴史①
「彦根藩士の役割と仕事―上層藩士編―」(渡辺恒一)

御家中御知行帳(当館蔵)
藩主から領地である知行(ちぎょう)を与えられた上層藩士たちは、軍事や領内統治において主力となる存在 でした。彼らが担った役割と仕事を紹介します。
④令和7年9月6日(土)
企画展「石田逸翁と秀蘭-高宮出身の兄妹絵師-」関連講演会

桃園結義図(部分、円常寺蔵)
「石田逸翁・秀蘭兄妹の画業」(髙木 文恵)
幕末に活躍した絵師、逸翁(いつおう)・秀蘭(しゅうらん)兄妹。謎多き2人の生涯と画業について、当時の画壇の状況を踏まえ、これまでの調査で明らかになったことをお伝えします。
⑤令和7年9月7日(日)
シリーズ古文書から読み解く彦根の歴史②
「彦根藩士の役割と仕事―専門職編―」(北野 智也)

籌辺管見(当館蔵)
彦根藩士の中には、儒者(じゅしゃ)や医者など、藩主から俸禄を与えられ、専門的な働きをした者がいます。本講では、古文書の中から、彼らが務めた役割や仕事を解き明かします。
⑥令和7年10月25日(土)
特別展「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」開催記念
「大名とスポーツ―武芸と遊興の祭典―」関連講演会
「大名の武芸―吉宗・定信 から真田幸貫へ―」
(真田宝物館 山中ゆかり氏)
8代将軍徳川吉宗(とくがわよしむね)と、幕府老中として知られる松平定信(まつだいらさだのぶ)は、武芸奨励に尽力したことで知られます。彼らに加え、彼らの血を引き継ぎ、名君として知られる松代藩真田家8代幸貫(ゆきつら、1791~1852)を取り上げ、江戸時代の大名が取り組んだ武芸について紹介します。

調馬図屏風(多賀大社蔵)
⑦令和7年11月15日(土)
企画展「彦根藩儒学の胎動-新たな学びの18世紀-」関連講演会
「向学の時代―18世紀彦根の儒学者たち―」(柴﨑謙信)

若林強斎肖像(部分、小浜市立図書館蔵)
18 世紀の彦根では、京都や江戸から新しい儒学がもたらされ、藩校創設にも繋がる向学の気運が高まりました。その中心となった儒学者若林強斎(わかばやしきょうさい)や野村東皐(のむらとうこう)らの足跡を紹介します。
⑧令和8年1月17日(土)
テーマ展「彦根城と城下町-江戸時代の彦根のかたち-」関連講座
「彦根城と城下町」(荒田雄市)

彦根御城下惣絵図(当館蔵)
彦根城の防御を担った石垣や堀、櫓などのあり方や、城下町の街区や施設の配置など、現在にも繋がる江戸時代の彦根の「かたち」を、絵図や古文書から読み解きます。
2 開催時間
午後2時から90分程度
3 会場
彦根城博物館 講堂
4 定員
各回50名
5 費用
①~⑤・⑦~⑧:100円
⑥:500円
*彦根市内の中学生以下は無料
6 受付
当日先着順(午後1時30分より受付開始)
7 問い合わせ先
彦根城博物館学芸史料課「講座」係
〒522-0061 彦根市金亀町1番1号
TEL0749-22-6100 FAX0749-22-6520
8 その他
講座の開催を変更する場合は、ホームページにてお知らせします。