彦根城博物館の学芸員は、各自の研究テーマや担当する展示について、調査・研究を行っています。その成果や最新の知見を市民に直接伝える場として講座を開催します。これにより、当館の活動や所蔵資料、さらには日本の歴史や美術にも関心を持ってもらおうとするものです。
1 開催日・演題・内容・講師
①令和5年6月3日(土) *終了しました
私の研究最前線 「菊満香―琳派に魅せられた幕末の女性画家―」(髙木 文恵)
幕末期、近江国の湖東・湖北地方を舞台に、菊の絵をよく描いた「菊満香(きくまんこう、万香)」と称される女性がいました。謎に包まれた満香について、現時点で分かったことを紹介します。
②令和5年7月22日(土)
私の研究最前線 「大殿様井伊直中と槻御殿」
(渡辺 恒一)
文化9年(1812)に隠居した11代直中(なおなか)は、20年近く、彦根の槻御殿で暮らしました。当時の直中の活動や、子の直弼ら周りの人びととの関係など、その暮らしぶりを紹介します。
③令和5年8月19日(土)
企画展「仰ぎて天文を見る」関連講演会
「江戸時代における天文の理解について」
(荒田 雄市)
江戸時代の人々は天文現象をどのように理解していたのでしょうか。著書で天体の運動を論じた国学者長野義言(ながのよしとき)など彦根ゆかりの人物の事例もあわせて紹介します。
④令和5年8月26日(土)
私の研究最前線 「彦根城下のなかの足軽」
(北野 智也)
彦根藩では1000人を超える足軽を37組に編成し、城下の善利橋などに集住させました。本講では、新出資料をもとに各組の居住分布を復元し、彦根城下と足軽組の関係に迫ります。
⑤令和5年9月16日(土)
企画展「関東大震災から100年 災害と井伊家伝来資料」関連講演会
「災害と井伊家伝来資料」(茨木 恵美)
井伊家伝来の美術品と古文書は、明治29年(1896)の琵琶湖大水害や大正12年(1923)の関東大震災によって甚大な被害を蒙りました。これら被害の実態を、罹災資料を紹介しながら改めて振り返ります。
⑥令和6年1月13日(土)
私の研究最前線 「彦根藩領の湊と船―船役所の機能を中心に―」(荒田 雄市)
彦根藩船役所は藩領内の湊や船、漁業などの支配に当たっていました。その職掌・機能や湊の様相について、水主小頭(かここがしら)であった磯崎家に伝わった古文書などから考えます。
⑦令和6年2月24日(土)
私の研究最前線 「石黒務―明治に活躍した旧彦根藩士―」(早川 駿治)
明治期に福井県知事等の地方官僚を勤めた石黒務(いしぐろつとむ、1840~1906)は、他方では井伊家等に関わる資料の収集・考察をしていました。その足跡をさまざまなところに残す彼の人物像を紹介します。
⑧令和6年3月9日(土)
私の研究最前線「「暮物伺」から見た彦根藩武家奉公人の実像」(柴﨑 謙信)
彦根藩各役所の武家奉公人の昇給は、年末に目付 から藩主に提出された「暮物伺(くれものうかがい)」という書類をもとに実施されました。この人事手続に見える彼らの実像を紹介します。
⑨令和6年3月16日(土)
私の研究最前線「井伊直忠の能稽古と梅若家」(茨木 恵美)
井伊家15代直忠(なおただ、1881~1947)は、観世流の梅若万三郎(うめわかまんざぶろう)らに師事し、その生涯を能に捧げた人物です。直忠が実際にどのように稽古を行っていたのかを、梅若家との書簡などから探ります。
2 開催時間
午後2時から90分程度
3 会場
彦根城博物館 講堂
4 定員
各回50名
5 費用
資料代 各100円(彦根市内の中学生以下は無料)
6 受付
当日先着順(午後1時30分より受付開始)
7 問い合わせ先
彦根城博物館学芸史料課「講座」係
〒522-0061 彦根市金亀町1番1号
TEL0749-22-6100 FAX0749-22-6520
8 その他
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、講座の開催を変更する場合があります。