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戦に備える -彦根藩の武具管理-

開催期間:令和2年/2020年11月27日(金)~12月24日(木)

 

 江戸時代、戦乱の世が平和になるにしたがい、刀剣や甲冑(かっちゅう)などの武具は実戦で用いられなくなりました。しかし武具は、本質的に戦士である武士にとって不可欠な装備であり、また武力を象徴するものであったことから、大切に保管されました。江戸時代後半になると、日本近海に現れる外国船に対応するための海防強化が図られ、武具の必要性は再び高まりました。

 江戸時代の彦根藩内で管理された武具としては、藩主井伊家の武具、知行取藩士(ちぎょうとりはんし)の武具、足軽の武具が挙げられます。藩主井伊家の武具は小納戸方(こなんどかた、藩主の身の回りの物などを管理する部署)や町奉行が管理し、御殿や天守など彦根城内に置かれました。これらの虫干しなどを行う際には、作事方(さくじかた、藩の建築工事に属する仕事などを担う部署)や納戸方(なんどかた、藩の諸物品管理などを担う部署)が必要な道具を用意し、人足となる奉公人の手配も行ったほか、ここで破損が確認された場合には細工所(さいくしょ、藩主の諸道具修復などを担う部署)が修理を担うなど、藩主の武具は藩の様々な部署によって組織的に管理されました。

 一方、彦根藩の知行取藩士の武具は、原則各家が調え、管理しました。これは、藩主に対する軍役として、知行高に応じて定められた武具や戦闘員などを各家で準備する必要があったためで、知行取藩士は自身だけではなく、家来の装備も自前で揃える必要がありました。

 これらに対して彦根藩の足軽は、20人から50人よりなる足軽組を単位として井伊家の強い統制下に置かれたことから、武具全てを自前で揃えたわけではなく、藩主から支給されることもありました。日常のメンテナンスは自身で行いましたが、破損した際には細工所が修理を行いました。

 本展では、軍事的緊張が高まる江戸時代後期を中心に、当時管理の際に使われた帳簿などから、藩主・知行取藩士・足軽それぞれの武具管理の実態に迫ります。加えて、こうした武具管理の実態からうかがえる彦根藩の軍事体制の一端を紹介します。

 

【主な展示資料

▼御宝蔵虫干御用留(ごほうぞうむしぼしごようどめ)
弘化2年(1845)6月 国指定重要文化財

 

 

 

 

 

 

 

▼朱漆塗紺糸威切付小札二枚胴具足
(しゅうるしぬりこんいとおどしきっつけこざねにまいどうぐそく)
江戸時代 個人蔵

 

▼腰物武器馬具類記(こしものぶきばぐるいき)
安政4年(1857)7月 個人蔵(宇津木三右衛門家文書)
市指定文化財

 

 

 

 

 

 

▼御武具御修覆留(おんぶぐおんしゅうふくとめ)
寛政6年(1794) 個人蔵(足軽佐藤家文書)

 

▼小幡組武器返済覚(おばたぐみぶきへんさいおぼえ)
江戸時代後期 個人蔵(足軽佐藤家文書)

 

 

 

 

 

 

◆展示解説◆
と き:11月28日(土)午後2時~(受付は午後1時30分~)*40分程度
ところ:彦根城博物館 講堂
定 員:25名(当日先着順)
費 用:無料 *展示室の入室には観覧料が必要です。
担 当:北野 智也(当館学芸員)

 

名称
戦に備える -彦根藩の武具管理-
会期
令和2年/2020年11月27日(金)~12月24日(木)
休館日

12月15日(火)

開館時間
午前8時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入場料
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