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漆芸の精華-江戸時代を中心に-

開催期間:令和2年/2020年3月25日(水)~4月7日(火)

◆3月25日(水)より開催
※本展は当初3月7日(土)からの開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を図るため、彦根城博物館では3月5日(木)から休館措置をとらせていただきました。このたび、3月25日(水)からの開館が決まりましたため、開催を見合わせていた本展も開館と同時に公開します。

“japan”という語が漆芸品の代名詞であるように、漆芸は日本を代表する工芸として広く知られています。漆を使った器物の装飾は、中国をはじめとするアジア諸国で古くから行われてきました。それにもかかわらず、漆芸品を“japan”と称すのは、17世紀初頭から19世紀末にかけて日本からヨーロッパへ数多くの漆芸品が輸出され、人気を博したためです。ヨーロッパへの輸出品を含め、日本の漆芸品に施される主な装飾は蒔絵(まきえ)と螺鈿(らでん)です。蒔絵は、漆で描いた文様や漆を塗った木地に金属粉を蒔(ま)いて加飾する方法で、その始まりは奈良時代にまで遡ります。蒔絵では、金属の種類、粒子の大小、蒔く量の粗密などの調整に加え、漆で描く文様を平面的あるいは立体的に表すことで、多種多様な表現が可能です。
また、奈良時代には螺鈿の使用も始まります。螺鈿は、中国に起源を持つ技法で、貝殻の淡い光沢を放つ部分を文様の形に象って装飾します。初期のものが木地に嵌入(かんにゅう)する方法であるのに対し、時代が下ると、木地に嵌めた後に漆を塗って研ぎ出したり、文様の表面の漆を剥(は)ぐ方法が登場するなど、螺鈿は漆芸に欠かせない表現の1つとなります。
この他に、鎌倉時代に中国からもたらされた彫漆(ちょうしつ)も日本で発展を見せます。彫漆は、漆を幾層にも塗り重ねた後に、文様を彫り刻む技法で、日本では、それを模して予め文様を彫出した木地に漆を塗って仕上げる、いわゆる鎌倉彫が盛んに制作されました。これら漆の技法は、室町時代にはほぼ完成したと考えられています。江戸時代を迎えると、更なる展開を見せ、精緻かつ洗練された文様が施されたり、従来の漆芸品では用いられないような素材を取り合わせて加飾されていきます。
本展では、彦根藩井伊家の伝来品から、江戸時代に制作された作品を中心に、漆で彩られた数々の品を紹介します。その種類は調度類をはじめ、馬具や刀装、茶道具、さらには楽器やその外装に至るまで様々です。それぞれの作品が見せるバラエティに富んだ表現と、その表現を可能にした巧みな技にご注目ください。

▼叢梨地花菱唐草菊三ツ横菊紋蒔絵楊枝台 当館蔵(井伊家伝来資料)

 

 

 

 

 

 

▼磯草白檀塗鞘大小拵 当館蔵(井伊家伝来資料)

 

 

 

 

 

*その他
通常、展覧会期間の最初の土曜日にギャラリートークを実施していますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、本展では中止いたします。

名称
漆芸の精華-江戸時代を中心に-
会期
令和2年/2020年3月25日(水)~4月7日(火)
休館日
会期中無休
開館時間
午前8時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入場料
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