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雛と雛道具

開催期間:令和4年/2022年2月5日(土)~3月7日(月)

 3月3日の上巳(じょうし)の節句に行われる雛祭りは、女児の健やかな成長を祈る行事です。元来、上巳に限らず、節句は季節の変り目にあたるため、病気などの災いが降りかかりやすい日と考えられてきました。そのため、節句には厄を払う祈りをし、厄を受ける身代わりとして人形(ひとがた)を作り、神に供えたり、厄払いとして川や海に流すということが行われました。後にこの人形は、飾り付けて楽しむものへと変化していきました。江戸時代に入ると、桃の節句に、人形とともに菱餅や菓子、白酒などを供えて賑やかな飾り付けをして祭を行うという、現代につながる習わしが定着しました。この人形は雛と呼ばれ、より華やかで精巧なものが作られるようになります。そして、実際の調度類を模したミニチュアの雛道具も作られ、雛と共に飾られるようになりました。
 江戸時代の大名家の姫君の婚礼の際には、嫁入道具として、豪華な調度とともに雛と雛道具が誂(あつら)えられました。雛道具は、婚礼調度を模し、数十件にも及ぶ大揃えのものとするのが通例でした。井伊家13代直弼(なおすけ)の息女弥千代(やちよ、1846~1927)が、安政5年(1858)に高松藩松平家世子頼聡(よりとし、1834~1903)に嫁いだ際にも、婚礼調度とともに愛らしい雛と雛道具が調えられました。
 弥千代の雛は、紙製の衣装をまとう古式ゆかしい立雛(たちびな)です。雛道具は、井伊家の家紋の橘と松竹梅の文様が金蒔絵(きんまきえ)であしらわれ、実物の調度さながらに精巧に作り込まれています。その数は85件にも及び、賑々しい婚礼仕度の様子を今に伝えてくれます。
 本展では、弥千代の雛と雛道具を展示し、また併せて、地元の旧家に伝わる古今雛(こきんびな)や段飾り、御殿飾りなどを一挙に公開します。春を彩る華やかな雛飾りの数々をご堪能ください。

スライドトーク

 

【主な展示資料】
▼弥千代の雛道具のうち 貝桶と合貝
貝桶 高 各16.2cm
合貝 横幅 各2.2cm
江戸時代後期

 

 

 

 

 

▼雛御殿飾り 一揃
高 64.5㎝
明治33年(1900年)
本館蔵(山本高嗣氏寄贈)

 

 

 

 

 

名称
雛と雛道具
会期
令和4年/2022年2月5日(土)~3月7日(月)
休館日
会期中無休
開館時間
午前8時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入場料
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展示作品リスト


主な展示作品

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