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幻の名窯 湖東焼 -彦根藩窯の盛衰-

開催期間:令和2年/2020年10月23日(金)~11月23日(月・祝)

 湖東焼(ことうやき)は、江戸時代後期に彦根で焼かれたやきものです。文政12年(1829)、彦根城下の商人絹屋半兵衛(1790~1860)らが開窯し、後に彦根藩が召し上げて直営化し、井伊家12代直亮(なおあき)(1794~1850)と13代直弼(なおすけ)(1815~60)、14代直憲(なおのり)(1848~1904)のもとで発展しました。とりわけ直弼は、湖東焼の窯の経営に情熱を注ぎ、藩窯は黄金期を迎えます。しかし安政7年(1860)、直弼が桜田門外の変で亡くなると、窯は縮小を余儀なくされ、文久2年(1862)に藩窯は廃止され、民間に払い下げられました。

 湖東焼の窯では、藩主個人の愛用品や贈答品として用いられた高級品に加え、藩の内外に流通させることを目的とした日用品まで、さまざまな製品が生み出されました。良質な材料をふんだんに用い、瀬戸や九谷、京都などの先進地から招聘(しょうへい)された職人達の指導の下で制作が行われ、その品質は極めて高いものでした。作品は、硬く焼き締まった磁器もあれば土の自然な暖かみが感じられる陶器もあり、絵付の技法も、藍色で模様を表現した染付や、赤や緑などの色で絵付した色絵、金で彩った金彩など、極めて多様です。しかし、窯の操業期間が短かったため、瀬戸焼や伊万里焼などに比べると製品の量は少なく、明治時代には「幻のやきもの」と呼ばれるようになりました。

 本展は、多彩な作例と史料を通じて、湖東焼の成立および展開の歴史を紹介するとともに、湖東焼に影響を与えた各地のやきものに注目することにより、造形的な特質にも迫り、湖東焼の全貌を明らかにしようとするものです。

【主な展示資料

▼湖東焼 染付松に鶴図盃 2口
(ことうやき そめつけまつにつるずさかずき)
文政13年(1830) 個人蔵

 

 

 

 

 

 

▼湖東焼 染付牧童図大皿 1枚
(ことうやき そめつけぼくどうずおおざら)
江戸時代後期 個人蔵

 

 

 

 

 

 

 

▼湖東焼 織部写夕顔図瓢形風炉 1基
(ことうやき おりべうつしゆうがおずひさごがたふろ)
江戸時代後期 個人蔵

 

 

 

 

 

 

▼湖東焼 青磁牡丹文耳付花生 1口
(ことうやき せいじぼたんもんみみつきはないけ)
江戸時代後期 個人蔵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼湖東焼 赤絵金彩四方形唐人物花鳥図火鉢 1口
(ことうやき あかえきんさいよほうがたからじんぶつかちょうずひばち)
江戸時代後期 当館蔵(河本英典氏寄贈資料)

 

 

 

 

 

 

▼有田焼 染付網目文大皿 1枚
(ありたやき そめつけあみめもんおおざら)
江戸時代後期 東京国立博物館蔵(平野耕輔氏寄贈)

 

 

 

 

 

 

 

▼瀬戸焼 古染付写雲鶴文手桶形水指 1口
(せとやき こそめつけうつしうんかくもんておけがたみずさし)
江戸時代後期 愛知県陶磁美術館蔵

 

 

 

 

 

 

▼湖東焼 赤絵金彩張道陵図鉢 1口
(ことうやき あかえきんさいちょどうりょうずばち)
江戸時代後期 個人蔵

 

 

 

 

 

 

◆展示解説◆
と き:10月24日(土)午後2時~(受付は午後1時30分~)*40分程度
ところ:彦根城博物館 講堂
定 員:25名(当日先着順)
費 用:無料 *展示室の入室には観覧料が必要です。
担 当:奥田 晶子(当館学芸員)

◆ワークショップ◆
NPO法人 湖東焼を育てる会 共催事業
「絵付体験!~オリジナルの器を作ろう~」
と き:11月14日(土)午後1時~3時30分
ところ:彦根城博物館 講堂
講 師:中川 一志郎 氏(再興湖東焼作家)
費 用:1500円 *別途作品送料が必要です。
申込方法
往復はがき往信の裏面に住所・氏名・電話番号を、復信の宛名面に住所・氏名を明記の上、「彦根城博物館特別展ワークショップ」係まで    お申し込みください(お1人様1通)。
彦根城博物館ホームページからも申し込みできます。
詳細はこちら
申込期間:10月1日(木)~10月30日(金) *当日消印有効
定 員:25名(応募多数の場合は抽選)

名称
幻の名窯 湖東焼 -彦根藩窯の盛衰-
会期
令和2年/2020年10月23日(金)~11月23日(月・祝)
休館日
会期中無休
開館時間
午前8時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入場料
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展示作品リスト


主な展示作品

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