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滋賀県指定有形文化財 指定記念
「彦根藩井伊家歴代の甲冑」

開催期間:平成27年/2015年6月1日(月)~7月7日(火)

彦根藩井伊家の軍装は、甲冑や旗などを朱色で統一した「井伊の赤備(あかぞな)え」として広く知られています。特に当主の甲冑は、金色の大天衝(おおてんつき)を兜の脇に備えるのが特徴で、その勇壮さは目を見張るものです。
【彦根藩井伊家歴代の甲冑】2
当館では、井伊家5代直通(なおみち)と14代直憲(なおのり)を除いた歴代の当主と、その子弟の所用と伝える朱漆塗の甲冑25領を所蔵しています。いずれも上質の漆や織物、飾り金具を使用した鮮麗なもので、それぞれに制作された時代の流行や好みを反映させた作りとなっています。
例えば、初代直政(なおまさ)や2代直孝(なおたか)の所用とされる甲冑は、使用される鉄板が厚く、無用な装飾を施さない質実剛健なものです。両腕には、肩から上腕を守る袖と腕全体の防具である籠手とが一体化した毘沙門籠手(びしゃもんごて)を取り入れています。この籠手は、近世の始めに登場したもので、従来に比べて腕を動かし易いのが利点です。常に戦に臨める状態が求められた時代に活躍した直政や直孝の場合は、機能的な甲冑が必要だったのでしょう。

一方、泰平の世となった時代に制作された甲冑は、装飾的なものが多く見られます。18世紀中頃に8代当主となった直定(なおさだ)の甲冑は、大型の袖を組み合わせ、兜には大天衝のほか、菖蒲の葉を象った立物(たてもの)を正面に設けています。襟などに用いられる織物には、花文をあしらった鮮やかな紺地の綸子(りんず)が取り合わされるなど、機能性より装飾性に重きを置いた様式となっています。

当館が所蔵するこれらの甲冑は、平成27年3月に滋賀県の有形文化財に指定されました。これは、直政以降の甲冑がまとまって伝わり、時代ごとの様式の特色がうかがえるほか、伝来が古文書によって確認できる全国的にも例が少ない一群であることから、その貴重性が評価されたためです。また、甲冑と一具で揃えられた采配や弓籠手(ゆごて)などの品々も、甲冑の来歴を示す資料として、併せて指定を受けました。

本展は、この指定を記念して開催するもので、指定された甲冑のうち、主なものを一挙に11領公開します。また、甲冑と一具で作られた品々や、歴代の甲冑について記録された古文書も展示します。それぞれの甲冑が持つ特徴はもちろん、当時の技術の粋を集めて作られた勇壮かつ威厳のある姿をじっくりご覧ください。

◆同時開催◆テーマ展 大坂夏の陣400年「彦根藩士たちの大坂夏の陣」

名称
滋賀県指定有形文化財 指定記念
「彦根藩井伊家歴代の甲冑」
会期
平成27年/2015年6月1日(月)~7月7日(火)
休館日
会期中無休
開館時間
午前8時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入場料
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