えどばくふろうじゅうほうしょ いいなおあきあて
江戸幕府老中奉書 井伊直中宛 1通 |
重要文化財 |
縦40.6 横56.5cm |
江戸時代 享和3年(1803)6月23日 |
彦根藩井伊家文書 |
江戸時代には、農業経営のための牛を維持するために牛肉の食用を原則として禁じ、また仏教の殺生禁断の意識も社会に広がっていたため、牛肉が公然と食べられることはありませんでした。しかし、彦根藩では「薬用」として干し牛肉、味噌漬けなどに加工していました。病気などによる体力低下からの回復を目的とする大名らから所望され、井伊家から牛肉を贈っていたことが古文書からわかります。享和3年(1803)、11代井伊直中が将軍家の「御内用」のため、干し牛肉1箱を献上しました。この古文書は、献上された牛肉を将軍に披露したことを、幕府老中牧野忠精(まきのただきよ)が井伊直中に奉書で伝えたものです。