のうめん おもにあくじよう
能面 重荷悪尉 1面 |
木造(ヒノキ材)・彩色 |
面長21.1cm |
桃山時代 |
井伊家伝来資料 |
悪尉の”悪”は、猛々しく強いこと、尉は老人。要所に朱の隈をほどこし、目には金色の金具を嵌め、歯先に金泥をさします。見るからに恐ろしげな老体です。菊守の老人が、女御(にようご)を思慕して恋い死にし、死後、怨霊となって女御を責めるという内容の「恋重荷(こいのおもに)」の後ジテ専用に用います。この面は、口に上下の牙が見え、眉も植毛としています。整斉美の中にも、抑揚のある彫り口に、強さが籠められています。