のうめん ししぐち
能面 獅子口 1面 |
木造(ヒノキ材)・彩色 |
面長20.0cm |
室町時代 |
井伊家伝来資料 |
井伊家伝来能面中の優品。獅子は文殊菩薩が騎乗する霊獣で、獅子が牡丹に舞い戯れる「石橋(しゃっきょう)」一番に用います。彫り口に抑揚があり、眉や髭などの毛描きには、闊達な趣があります。あたりを睥睨する獅子の気宇広大な風格が感じられ、やや誇張味はありますが、能面の形が固定化する以前の古調を伝えます。面裏に作者を赤鶴(しゃくづる)とする明暦2年(1656)の金泥極めがあります。赤鶴は、鬼の面の上手と評判だった面打。