からおり(だんにりゅうすいきくもんよう)
唐織(段に流水菊文様) 1領 |
丈143.0 裄72.6cm |
江戸時代 |
井伊家伝来資料 |
唐織は、種類の多い能装束のなかでも最も絢爛豪華な装束。文様、色彩ともたいへん手が込んでいます。この1領は、紅、萌葱、黒紅の段替りに、水の流れを金糸であらわし、上文様には各種の色糸で菊の折枝を全面に散らしかけます。上文様が刺繍のように浮き上がり、深みを感じさせます。身辺のなにげない草花の美は、日本人が古くから好み、慣れ親しんだ主題。和様の美の伝統が鮮やかに生きています。